コース紹介
「夢中」になれる仕事、きっと見つかる!TECH.C.だから様々な「職種」と「業界」が目指せる!
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自分が手がけたゲームで「感動しました」と言われると
ものすごくうれしいです
『ドラゴンクエスト』シリーズ、『ファイナルファンタジー』シリーズなどを擁し、多彩かつ上質なコンテンツ/サービス事業をグローバルに展開している株式会社スクウェア・エニックス。その中でも『ファイナルファンタジーXIV』開発を手がけるスタッフの方4人にお話を伺いました。
Contents
学生 貴社の理念、社風や雰囲気などを教えてください。
藤田 企業理念は “最高の「物語」を提供することで、世界中の人々の幸福に貢献する” です。ここで言う物語とは、ゲームのシナリオではなく、ゲームを介してお客様が体験する時間・思い出などを指します。社風は、比較的なごやか。中には緊張感のある部署もあります(苦笑)
中川 ファイナルファンタジーXIVチーム(以下、FFXIV)は雰囲気いいですよ!
高柳 割と言いたいことが言えて、熱意も買ってくれる環境です。上司も「やりたいようにやってみれば」と言ってくださいます。それがプラスになって、成長していけると感じています。
高山 自分でやる事に責任を持つのが前提ですが、とりあえずやってみたら、と言ってくれます。
中川 モチベーション高く、やりたいことをどんどんアピールしていけば、なんでもやらせてくれます。(好きにさせてもらえる)その分、しんどいですけどね(苦笑)
学生 どのようなお仕事をされているか教えてください。
藤田 私はプランナーが考えた、ゲームの遊びの部分をどう実装していくか、が仕事です。FFXIVでは、チョコボレース、最近だとシーズナルイベント限定の守護天節のダンジョンなどをプログラミングしていました。オンラインゲームの制作は、サーバーとのやり取りが大変。パケット量を抑えるのに苦労します。パケットの量が多いとバグが発生することにもつながったり。サーバーからのセーブデータは1バイトでも削るようにしています。たった1バイトでも馬鹿にできないんです。FFXIVだけでも何百万というキャラクターがいますからね。個々に1バイト節約するだけでも何百万バイトの削減になる訳です。これは無視できない量。チョコボレースで言うと、最初は盛りに盛った内容だったのですが、それではまずいということになり、ステイタスは4段階2ビット、名前をパターン組み合わせにするなど苦労しました。制約の中で、いかに企画を実現させるのかが腕の見せ所です。
高山 防具の最終責任者です。データ管理もしますが、自分でも防具を作成しています。
FFXIVはオンラインゲームなので、データサイズの上限が小さめに設定されており、また、着せ替えがあるので、仕様が細かく設定されています。それらの縛りの中で、ちゃんと格好よくなるよう、毎回試行錯誤しています。
高柳 イベントプランナーに携わっています。クエストの実装などを行っていて、クエストの中でどうやってプレイヤーさんを楽しませようかを考えていますね。こういう世界設定があるから、こういうクエストにしようとか考えるのが仕事です。蒼天編ではアニマウェポンに携わらせていただいていました。
中川 バトルコンテンツの企画開発です。具体的には蛮神戦、ダンジョンのボス戦、ソロのクエストバトルなどですね。最近だと『極女神ソフィア討滅戦』も手がけました。飽きられない体験、新鮮な体験を提供し続けることに苦労しています。長く続ければ続けるほど企画のネタがなくなりますし。そして、だんだんハードルが上がっていく。ここは永遠に苦労し続けることだと思います。
学生 オンラインゲームにおいて、運営を続けていくのに大切なことは何ですか?
藤田 常に追加コンテンツ、追加実装などがあります。今までの実装に影響がないように加えていくことが大切です。
高山 パッチは止まることがないので、グラフィッカーは、なにがあっても制作が止まらないようにする事が一番ですね。そのためにスケジューリングは常に注意しています。
あとは、状況に左右されないクオリティ管理、膨大な過去データと追加データの管理、なども大事です。
高柳 いまのプレイヤーさんが何を求めているか、何に困っているか、つまずいているかなどを把握することが大事だと思っています。そのため、自分で実際にゲーム中に入り込んでみて体験して知ること、プレイヤー目線でひたすらやってみることを重視しています。
中川 企画面で言えば、とにかく、飽きさせないことですね。常に感動を味わってもらうように。オフラインゲームとの違いはそこだと思います。オフラインゲームだと購入して数十時間位やっておしまいの場合もままありますが、オンラインゲームだと3か月など長い期間プレイすることになります。飽きられてしまったら、そこで終わりなので、常に新しいものを提供していくことが重要だと思っています。
学生 FFXVでも利用したと思いますが、写真測量法(Photogrametry)に関してはどう思われますか?
高山 ゲームに求めるビジュアルの着地点が、全部必ずしもリアルとは限らず、ゲーム性にあったグラフィックが一番だと思うので、タイトルによってえづら(絵面)は変わると思います。ただ、状況とタイトルに応じてですが、有用な技術はどんどん取り入れていくべきです。手段の選択肢は多い方が良いです。
学生 AIプログラムで動作している部分は、どのくらいあるのでしょうか? (例えばFFXIV内で)
藤田 フィールドやダンジョンや、雑魚キャラはAI(で動かしています)。それ以外は利用されていません。雑魚キャラの行動を決めるところ、移動経路、パス検索などはAIで制御しています。行動を決めるところは、FFXIIのガンビット(※)をそのまま利用しています。条件と行動を縦に積んでいきます。
※ ガンビット:「ファイナルファンタジー XII」(FFXII)では,味方キャラクタのAI(行動パターン)をプレーヤ(プレイヤー)が、かなり自由度高く(選択肢の数が非常に多い)設定することが可能でした。あらかじめ用意された選択肢の中から対象と行動を画面上で選択していくスタイル。
学生 AIを組む時に、気を付けていること、大切にしていることはありますか?
藤田 今回は雑魚キャラに使っているので、何十体と出てきます。CPU使用率を気にかけています。データを設定したら、簡単な仕組みにします。プランナーの方も使えるようにシンプル(な仕組み)に。
学生 使用されているソフトは何ですか? 学生時代にどのレベルまで使いこなせればよいでしょうか?
高山 フォトショップと、Maya(マヤ)と、Zbrush(Zブラシ)。この3つが使えれば問題ないかと。
藤田 ビジュアルスタジオさえ使えればなんとかなるかと思います。
高柳 私たちイベントプランナーは、Eclipseを使用して、スクリプトを組んでいます。
中川 社内で開発したツールがあるので、それを使っています。
学生 デッサンやクロッキーが苦手(質感を表現するのが苦手)なのですが、やはり重要ですか? 上手く描けるコツなどありましたらアドバイスが欲しいです!
高山 デッサンは、自分の感覚で見て、表現する作業です。つまりインプットとアウトプットの両方の力が必要になります。デジタルデータでも、もちろんその力は必要です。デザイン画をみてデジタルデータで表現するので、とても似ていると思っています。
大事なのは、自分がどこが苦手かをつかむ事です。インプットの見る力、アウトプットの表現する力、どちらがうまくいかないのか。うまくいかない部分を繰り返し鍛錬するしか上達はないと思います。
具体的なアドバイスだと、デッサンは鉛筆と紙の扱いに慣れるだけでも、表現の幅がひろがって自由になるので、枚数を描く事ですね。あとは見せたいテーマを絞る事です。
学生 一週間にどれくらいの物量をこなしていらっしゃるのかが知りたいです。
藤田 時期によりますね。
高山 グラフィックは一定のペースでずっと忙しめです。物量は言い難いのですが、どういうペースで作成しているかの目安ですと、FFXIVの武器で、最短5日、複雑なものだと8日くらいです。
高柳 1週間という単位ではなく、コンテンツによって物量は違います。担当したパッチ3.3のアニマウェポンでは、“クリスタルサンドと硬霊性岩を集めて人造精霊を育成するクエスト”を企画する箇所で、2週間近くかかってしまっています…。
中川 忙しい時と暇な時で全然違うんですよね。バトルコンテンツだと、蛮神戦の企画だと、1週間でできることもあるし、2か月かかることもある。蛮神シヴァは1週間ちょい。ソフィアはすごくかかりました。クエストバトルは自分で企画して、スクリプトを書いて実装まで全部自分でやっています。蛮神戦は企画して仕様書を自分で書いて、開発はプログラマーさんにお願いしました。クエストバトルだと、新生FFXIVの頃の開発は1日1個づつくらい。それくらいしないと間に合わなかったです。3.Xシリーズだと、1個20日くらいかかってます。
学生 自分はゲーム企画シナリオ専攻の学生なのですが、新しい企画やシナリオを作るためにどのようなスキルが必要ですか?
高柳 ネタの引き出しが多いことが大事じゃないでしょうか。例えば、ゲームで遊んでいるときに、自分ならこのゲームにこんなコンテンツ作りたいなあと想像しちゃいますね。プランニングだけじゃなく、自分の担当でない部分の勉強もすることも大事だと思います。自分になにができて、なにができないか…それを知るのも大切です。
中川 普段からいろんなネタを貯めるようにしています。なので、メモをたくさん取ります。あとで見返すと恥ずかしいですけど(苦笑)。あとは、他社のゲームも含めいろんなゲームを、とにかくいろいろプレイして、その時感じたことを常にメモします。おもしろかったこと、詰まらなかった点、自分がなぜそう感じたかの理由など。
学生 御社はさまざまな人気なゲームがたくさんありますが、人気シリーズを継続していく上でお客様を満足させる施策はどのようなことを心掛けていますか?
高柳 プレイヤーさんの記憶に残るような仕掛けやゲームを!と思いながら仕事に取り組んでいます。
中川 新しい体験を常にお客さんに提供すること。それにはまず、自分が面白いと思わないといけないと思っています。
学生 今までの自分の企画の中で、「これはすごいよ」ってものを教えてください。
高柳 アニマウエポン第3弾(パッチ3.3)は特に頑張りました。どれだけみんなのモチベーションを下げずに、遊び続けてもらうか考えることに必死でしたね。
中川 自分がつくったものはどれも。あえて1つだけ選ぶなら、ソフィア(女神ソフィア討滅戦)かな。
学生 同じ制作チームのモチベーションをあげる、保つ秘訣とは何かを教えてください。
高柳 ゲームセンターへ行き、ひたすら遊ぶことですかね!チーム内で盛り上がるというよりは、自分のモチベーションの話になってしまいましたが…。
中川 みんなで焼き肉とか、ご飯を食べにいったりすることですかね。
学生 パソコンや家庭用ゲームを作る際1つの企画を固めるのにどれ位の期間かかるのかを教えてください。
高柳 ものによっては、2か月かかるようなコンテンツもあります。ただ、パッと決めなくてはいけないものも存在し、たとえばシーズナルイベントなどはいつも忙しいです…。短期間でどこまで企画を磨くことができるのかを考えることに日々力を注いでいます。
中川 FFXIVの話で言うと企画によります。1週間から2か月。ただ、いろんなネタを普段貯めているからこそ、その期間内でできています。それをしてなければ、もっと時間がかかるでしょうね。
学生 なぜ御社に就職を考えたのか教えてください。
藤田 4年制の専門学校に行っていましたが、3年生のときにスクウェア・エニックスの人が学校に来てくれて(会社説明会)。その時に「一緒にやらないか」と誘われました。なので、4年生のころからすでに会社に通っていました。
高山 大学時代に小学生以来久々にゲームをして、FFXにとても感動しました。FFが好きだから、という理由で応募しました。
高柳 学生時代に出会った、ファイナルファンタジーやキングダム ハーツなどをプレイして、ゲーム業界で働きたいと思うようになりました。たくさんのゲーム会社の中でも、弊社が一番自分のやりたいこととあっていたため、応募しました。
中川 もともとゲーム会社にいなくて、ゲーム開発にも興味なくて。ゲームが趣味のシステム開発者だったんです。「旧FFXIV」の時代からプレイしている根っからの「FFXIV」ファンでした。31歳の頃、フォーラムで呼びかけがあって、そこに応じて応募して今に至ります。どんどん変わっていくFFXIVが面白いなと思って応募したんです。
学生 学生時代、どのような勉強をされていましたか?
藤田 高校の頃からべーシック、C言語を学んでいました。専門学校ではC++、ゲームボーイアドバンスの開発機が学校にあったので、それで勉強したり。
高山 美大で彫刻の勉強をしていました。金属彫刻をつくっていました。
高柳 専門学校は、プログラミング系統を学んでいました。学校はプランニングもさせてくれる場所だったため、どちらもバランスよく学んでいました。
中川 学生さんの前でこんなこと言っちゃいけないかもしれないですが(笑)、自分は、学生時代は遊んでいました。それに高校のときは音楽をやってました。大学は27歳の時に仕事しながら夜間の大学に。そのときは死ぬほど勉強していました。なぜなら、自分で学費を出していたので(笑)。睡眠時間3時間で勉強していました。
学生 会社に入って良かったと思うことは何ですか。
藤田 社食があることかな(笑)。それと、大きい会社なので大規模開発ができる。レベルの高い人から技術を教えてもらったり、ためになります。
高山 関わったタイトルを、友達が遊んでくれていたり、それを評価してもらえるのは嬉しいです。率直な意見や感想を聞けると、とてもありがたいですね。
高柳 周りの人の声が、すぐ傍で聞こえてくることがとっても嬉しかったです。
良くも悪くも激励を色々な方に貰えると、FFXIVに携わることができて良かった…と思います。
中川 自分がつくったものをプレイしてもらって、感動しましたとか言ってもらえるとすごく嬉しいですね。みんな周りがプレイしている。それがすごく嬉しいです。
学生 今御社が希望する人材の条件を知りたいです。そのために学生の内にやっておくべきことを知りたいです。
藤田 会社のホームページで募集要項を見るのが良いと思います。実際に自分でゲームを制作しておくと判断されやすいですし、あとはそれを“集団でやる”という点ですね。チームワーク。社会人になるとチームで開発するわけですから、グループ作業になれておく方がいいと思います。ソースコードも提出すると、能力がわかりやすいですね。
高山 グラフィック関係で言えば、グラフィックを作るだけじゃなく、コミュニケーション能力が高いとか、英語ができるとか、いろいろなオプション(他の特技)もあった方が望ましいですね。
高柳 専門学校は、企画書の書き方は教えてくれます。そのため、皆似たようなものができるわけで、その中で上を目指さなければいけません。私の周りは、他人と会話せずひたすら自分の世界に没頭して作品を作り上げる方が多かったです。なので逆に私は、「とにかく人と話す」ことを実践していました。
友人をつかまえてはゲームの会話をし、ゲームを貸し借りしてコミュニケーションをとっていました。
その結果、今役立っているのでコミュニケーションは大事ですね。
中川 いろいろな条件があると思いますが、採用のことだけで言うと、自分に与えられた時間ってものすごく短いわけです。履歴書だって、そんなにじっくり読まれるわけじゃなく、面接だって長時間話を聞いてくれるわけでもないですし。その短い中で他の人に差を付ける、突出したものが必要です。ザ・フィースト(※)で1位を獲ったとか、何かを頑張ってやったとか、他の人よりも上に立ったわけですから。あとは、英語が話せるとかTOIEC900点だとか、目に見えるスキルがあると、履歴書の中で目を引きますよね。わかりやすいですし。
※ ザ・フィースト(The Feast):お互いに所持しているメダルを奪い合い、所持しているメダルの数によって勝敗を決める対人戦バトルコンテンツです。
学生 目を引くポートフォリオはどのようなものですか?
高山 いろんなグラフィックが入っているとわかりやすいですね。モンスター系と、人系と、メカ系と。得意なもの一点突破でも良いと思います。苦手なものを急ごしらえしても、見て苦手とわかるので必要ないと思います。ただ、入りたいタイトルの絵柄に沿ったデータは必須です。
高柳 企画書を書いてくださいという場面はありましたが、プランナーでのポートフォリオは作成しませんでしたね。私は…四コマ漫画を描いて提出しました。どれだけ人と違うものにするかが、大事かもしれません……。
学生 今までで一番の失敗談とその乗り切り方を教えてください。
藤田 正直、乗り切ってはいないんですけども(苦笑)。昔、マスターアップ前にバグを出しちゃいまして。すぐ修正したんですけど、別のバグが発生し、プレイヤーからネタにされるという。続編では修正しましたけど、申し訳なかったなと。今後には活かそうと思いました。マスターアップ間近の時は絶対に修正しないように(手を加えないように)。
高柳 最近だけだと、アニマウェポン3.3は、やはり反省点が多かったですね。反省点は忘れずに次からは改善を…!と思いながら、製作を続けています。
中川 失敗はたくさんしてますがあまり覚えてなくて。成功していることだけ覚えてます。よくある失敗は、自分の仕事上のポリシーでのことなら。思ったことは、言いにくいことでもなんでも言おうというのがポリシーなので、そのせいで、言いすぎて、人を傷つけてしまったりとか。もっと別の言い方があったな、言い方を考えて伝えればよかったなとかはあります。
学生 ソフィアの天秤のアイデアはどこで、どうやって思いついたのですか?
中川 なんかね、ぱっとでてきました。ある日ジムでランニングマシンを走っている時に天秤のアイデアを思い付いたんです。その日はそのままジムを出て会社に向かいました。アイデアは仕事をしていないときに浮かぶことが多いです。走っているとき、お風呂に入っているとき、ぼーっとしているとき、寝る前、ご飯を食べているときとか。ジムはお昼休みの1時間で行ってるんですけど、煮詰まってるときにいきますね。人それぞれですけどね。
学生 忙しい時の気合の入れ方、休日などの息抜きの方法はどのようなことをされていますか?
藤田 忙しい時は気合とか関係なく体が動いちゃう。集中は音楽聞いて外部をシャットアウトします。休日は仕事のことは考えない。仕事は金曜日に終わらせる、とか。
高山 実装前はマルチタスク状態ですごく忙しいです。優先順位を常につけて順番にさばきます。息抜きは、ゲームを離れて、学生時代の友達と話したりするのも良い気分転換になります。
高柳 どれだけ体力を維持できるかが大事です。あとは、優先順位を決めてひとつずつ熟していくことが必要ですね。休日は、外に出たり、ゲームをひたすらやったりすることで息抜きをしています。
中川 会社の下にジムがあるので、ランニングマシンで走るのが気合の入れ方です。ほぼ毎日走っています。休日はゲームしてます。いろんなゲームを。
学生 VRへの開発に興味はありますか?どのようなものを開発されたいですか?
藤田 興味はありますが、売れるかどうかが重要なので、プラン次第かなと思います。
中川 興味はあります。お金(予算)をいくらでも使っていいなら好きなことをやりますけど(笑)。競技性があるゲームをVRで作ってみたいとは思います。
飯泉 ミニオン同盟(※)の方がいらっしゃったら聞きたいこと。 ミニオン班に参加するときに、どの部署にもそういう活動に参加できる自由な雰囲気があるのかどうかが知りたいです。
高山 どの部署でも、開発内であればミニオンが好きな人は入れると思います。人数は増減したりしますが、自由な雰囲気で癒されながら楽しくミニオン会議をしています。
※ ミニオン同盟(みにおんどうめい) FFXIV開発スタッフで構成されたセクション横断型の勝手集団。
学生 ところで、私たちの試合(TGS専門学校対抗戦ザ・フィースト)は観てくださいましたか? もし観てくださったのであれば、感想を頂けましたら嬉しいです!
高柳 見ました。自分じゃできないなと思いました。自分でも、よくPvPで遊びますが、あんな対戦はできないなと思います(笑)
中川 普段からザ・フィーストをプレイしていたんですか?見ていて、すごい面白かった。あと2秒長かったら、メダル拾われてましたよね。
学生 中川さん、ぜひ60秒で行うアイデア出しのやり方、今後のモノづくりをする際に参考にしたいので詳しくお聞きしたいです。
中川 これは開発メンバーや上司に対して、60秒以内で説明しておもしろいと感じて貰えなかったら、自らボツにして企画立案を最初からやり直すというルールです。説明に60秒かかる場合は、企画内容が複雑すぎておもしろくない場合が多いですから。誤解しないでほしいのは、「60秒でプレゼンする!」ってルールではありません。例えば、「今ソフィアの企画を考えてるんだけど。天秤の上で戦おうと思ってる」と伝える。そこで相手の反応がよかったらOKなわけです。自分のアイデアがシンプルで刺さったわけだから。短く端的に説明して、聞いた人が興味を示すようなものじゃないとだめ、ってルールです。天秤は、端的に説明して興味を持ってくれたので、じゃあ、そこから肉付けして企画を仕上げていけば失敗はしないだろうと思いました。根幹が面白いのだから、絶対に失敗することはないだろうと。このルールを作ってからは、少なくとも同じ班で企画に対して、やり直しになったことはありません。このルールを自分に課してからは、企画の期間を短縮できるし、クオリティを上げることもできています。
学生 高柳さん、仕事をしている上での女性ならではの苦労していることなどあったら教えてください。
高柳 まったくないです。女性だから苦労した…という経験はありません。男女関係なく意見交換ができます……!引け目を感じたら負けちゃうと思うし、全員倒す勢いでやっていってほしいですね(笑)。
学生 これからゲーム業界を目指す学生へエールをお願いします。
藤田 覚悟が出来たら突き進んでください。
高山 ゲームが好きだから、という気持ちで我慢できることもあります。好きという気持ちに正直になって、がんばってください。会社の規模の大小にかかわらず、好きなことができる会社を選んで入社試験を受ければよいと思います。自分の好きな事、やりたい事がある会社か。変に構えたり、気後れしたりせず、勢いよく受ければいいと思います。
高柳 “好き”を仕事にするって、とてもうれしいことだとおもうので、それができるように、一秒たりとも努力を惜しまないでがんばって。後悔しない方を選んでください。
中川 好きなことを仕事にできるって本当にしあわせなこと。勉強もがんばってほしいけど、遊びもちゃんと。学生時代にしかできないことをとことんやってください。がんばってください。