コース紹介
「夢中」になれる仕事、きっと見つかる!TECH.C.だから様々な「職種」と「業界」が目指せる!
13
トップレベルの制作会社で映像のプロになる夢を
かなえてみませんか
映画「GANTZ:O」をはじめ、名タイトルを多数手がけるデジタル・フロンティア社。仕事をしていて喜びを感じる瞬間、モデリングでキャラクターをつくる実制作の話、3Dモデリングの口の動きは、どうやって声優さんの声と合わせているのか、など突っ込んだお話を伺いました。これぞ、日本トップレベルのクオリティ・体制を誇る映像制作会社!
学生 モデルひとつやアニメーションひとつにどれくらい時間をかけて制作していますか?私は今アニメーターを目指して勉強していて、1日に1個作れるように頑張っているのですが、1つ1つにこだわりすぎて、時間がかかってしまう癖があるので、会社ではどのように作っているのか気になります。
澤田 モデリングやアニメーションにかかる時間は、プロジェクトによって様々です。モデリングは、作品のテイストやデザインや予算によって決まります。アニメーションの場合も、動くキャラクターの数や演技の違いでガラッと変わります。学生のうちは、自分がどの作業にどれくらい時間をかけているのかを把握しておくと、得意不得意がわかり、新しいものを作るときにも、作業時間がどれくらい掛かるかを予測できるようになると思います。
学生 1人あたりいくつくらいのプロジェクトに参加しているのですか?
澤田 基本的には1プロジェクトです。ただ、プロジェクト1つといってもキャラクターを2体担当することもありますし、リーダークラスになると2つのプロジェクトを掛け持つこともあります。
学生 映画とアニメの作業で大きな違いは何かありますか?
澤田 どちらもフル3DCGの場合は、あまり違いはありません。ただ、すべてをフル3DCGで作るのか、撮影された画や描かれた絵に合わせて一部のみをCGで作るのかで制作する範囲と作業量が変わります。
例えば、実写であれば背景は撮影してしまえば済みますが、フル3DCGの場合は、置いてある物やちょっとした汚れなどもすべて作るので、膨大な時間が掛かります。その代わり、現実ではコントロールできないようなこともフル3DCGならば何でも思いのままにすることができます。
学生 どんな瞬間に喜びを感じますか?
澤田 喜びを感じる瞬間には3段階あります。まずは、プロジェクトの大小に関わらずクライアントにOKをもらった瞬間。「終わった!やりきった!」という達成感があります。次は、完パケ(完全パッケージの略語。そのまま放送できる状態に仕上がっている)を見た瞬間。完成版を見て感動します。最後は、世の中に出た後の反応を見た瞬間です。作品がTwitterなどで話題になると喜びを感じます。
学生 仕事への情熱はどうやって保っていますか?
澤田 情熱は意識して保つものではないと私は思います。好きなことだから頑張れるし、「次はもっとこうしよう!」とか「次はああしたい」という気持ちが自然と情熱を保つことに繋がるのではないでしょうか。情熱を保つために頑張る、だと後々しんどくなってしまうと思います。
阿部 採用面接では、その人がどれだけ映像が好きかも見ているので、デザイナーはみんな情熱を持ち続けていますね。大切なのは、“好き”という気持ちを忘れないことだと思います。
学生 キャラクターの動きは、ほぼキャプチャーで撮っているのですか?
澤田 そうです。デジタル・フロンティアでは、アニメーションの8~9割をキャプチャーで撮影しています。短期間かつ作業量が少ない案件の場合は手付けでも行いますが、基本的には物量が多いのでモーションキャプチャーをベースにしています。
阿部 キャラクターが人間なら撮影すればいいですが、動物やクリーチャーといった人間ではないものになるとアニメーターが手付けで動きを付けています。もちろん、クライアントから手付けでやってほしいと依頼されることもあります。
学生 背景モデリングについて、建物を作る担当だったりプロップを作る担当などは背景室の中で分かれているのですか?
澤田 背景室の中で担当が分かれているわけではありません。プロジェクトによって制作物が変わりますので、リーダーとコーディネーター(制作進行)が相談をして、仕事を割り振っています。
阿部 新人の場合は、まず簡単なプロップ制作などからスタートして、少しずつ難しいものを担当していただくようになります。タイミングが良いと最初からビッグタイトルに携われる場合もあります。
学生 デッサン教室をやると聞いたのですが?
澤田 デッサン教室は、福利厚生の一環として毎週土曜日に行っています。参加人数に制限がありますので、3ヶ月1クールとして、参加希望者を募っています。
学生 レンダリングサーバーも持っているのですか?
澤田 持っています。長編フル3DCG作品のように作業量が多いときは、外部にレンダリングサーバーを借りて、レンダリングすることもありました。
阿部 某大型作品のときは、会議室にマシンをずらっと並べて冷房をガンガンにかけてフル稼働させました(笑)
澤田 そのときは、「この会議室は使わないでね」と貼り紙をして、数ヶ月使えませんでした(笑)
阿部 過去には本当に間に合わなくて、関連チーム以外はお休みにして、全マシンをレンダリングに総動員したなんてこともありました(笑)
学生 それは1日のことですか?
澤田 いや、1日ではなく数日かかりましたね。1週間はかかったかな。
学生 日頃から欠かさず行っているルーティンはありますか?
澤田 プロダクションマネージャーは、映画を見に行ったり、帰宅した後に映像作品を見たり、今やっているTVドラマをチェックしています。それは映像に限った話ではなく、本でもいいし、音楽や舞台でもいいし、ゲームでもいいかもしれません。とにかくインプットを欠かさないようにしています。忙しくなってくると、つい怠けちゃうんですけど。。。
学生 ノー残業デーがあると聞いたのですが。
澤田 今日(水曜日)です!(笑)※たまたまインタビュー当日は、水曜日でした。
阿部 毎週水曜日はノー残業デーとなっています。定時になると全館放送で「今日はノー残業デーなので帰りましょう」とアナウンスを流します。ただ、納期前で忙しい方は残って作業していますし、中にはスキルアップのために残りたいという方もいらっしゃいます。私たち管理部としては、社員の“やりたい”という気持ちは押さえつけずに、なるべく尊重したいと考えていますが、基本的には納期に余裕がある場合、残業はNGとしています。
学生 定時は何時から何時までですか?
阿部 10時~19時です。デザイナーの皆さんは、1年目は普通勤務制ですが、2年目以降は裁量労働制に変わりますので、遅刻や早退といった概念がなくなります。だいたい11時くらいには全員揃うかな?といった感じです。
学生 学生時代に一番勉強したほうが良いこと、持っておいたほうが良い資格があれば教えていただきたいです。
澤田 デザイナーであれば作品をとにかく作ってください。場数を踏んでおけば、いろいろできるので。資格は、特には要らないと思います。映像の勉強がてら資格に挑戦してみる程度でいいのではないでしょうか。学生時代にやっておいたほうが良いことは、流行の映像、映画やドラマは見といたほうがいいかな。クライアントから「去年流行ったアレかっこよかったですよね、あんな感じがいいです」なんてオーダーをパッと言われたときに「何それ?」となると、すぐに対応ができなくなってしまいます。
阿部 勉強やスキルを磨くことも大切だと思いますが、学生時代にしかできないことってたくさんありますよね。例えばバイトをするとか、友達と旅行に行くとか、ちょっと無茶な遊び方をするとか(笑)。大人になるとなかなかそういうことができなくなるので、“今しかできない”いろいろな経験をしておくと将来きっと役に立つときがくると思います。
学生 会社内全体でのイベントはありますか?
阿部 あります。デジタル・フロンティアでは年3回全社イベントを行っています。春は近くの公園に行ってお花見をします。夏はその年によっていろいろですが、昨年は9月頃に、クルーザーを貸し切って船上パーティーをしました。その前は、お台場でスポーツ大会をして、近くの温泉で飲み会をしました。年末は納会(忘年会)があります。社内でも部署によって様々な作品をつくっているので、“今年のデジタル・フロンティア作品”というのを、大きいスクリーンで流しながら飲み会をします。飲み会ばっかりですね(笑)
分業制でなかなか他のチームとコミュニケーションを取りづらいので、イベントはなるべく会社全体でコミュニケーションが取れる場を設けるという目的で行っています。
学生 絶対に見たほうがいい作品はありますか?
阿部 世の中で人気のある作品は見た方がいいと思います。たとえ、自分の好きなジャンルじゃなかったとしても、「なんで人気があるんだろう?どこがウケているのかな?」というのを、自分の目で見て感じることが大切です。
学生 ひとつのソフトに専念したほうがいいのか、それとも今のうちに様々なソフトに触れておいたほうがいいのでしょうか。私はこれまでMayaを中心に使っていたのですが、今年から他のソフトも触りはじめたので、それで良かったのか気になっています。
澤田 デジタル・フロンティアに限った話になりますが、完全分業制なのでチームごとで扱うソフトはある程度決まっています。例えばモデリングはMayaを使いますが、エフェクトだとHoudiniを使っています。なので、自分の目指す職種がどんなソフトを使っているかをリサーチして、それに時間を割いた方が良いと思います。
学生 ポートフォリオはどういったところを重視されてますか?
阿部 ポートフォリオで重視しているのは、作品のクオリティです。モデラーだったらモデル作品、アニメーターだったらアニメーション作品を重点的に見ています。ポートフォリオの内容は、学校の課題作品でも構わないんですが、できればオリジナル作品だと嬉しいです。同じ学校からのご応募だと同じ作品を何度も見ることになるので。少なくても構いませんので、オリジナルの作品を入れると良いと思います。
学生 ちなみにオリジナル作品というのは、既存作品でも大丈夫ですか?
阿部 もちろん。真似して作ってみたとかでも良いので、自分がどれだけ授業以外でもCGをやっているか、どれだけCGが好きかをアピールしてもらうと良いです。
学生 ポートフォリオと人間性、重視する割合はそれぞれどのくらいですか?
阿部 面接の前に作品で選考していますので、まずは作品ですね。ただ、分業制のため、コミュニケーションを取れなければ話になりませんから、人間性も重視しています。割合で言えば半々ですね。
学生 TECH.C.の強みはなんだと思いますか?
阿部 TECH.C.の学生さんは、まんべんなく勉強されているなというイメージです。デザイナー志望でもプログラムも少しいじれたり。TECH.C.は、いろいろなことが学べる環境だと思うので、そこを強みとして経験を積むと良いと思います。逆に言えば、器用貧乏にはならないでほしいです。今後、デザイナーという職業で戦っていくのであれば、自分のやりたいこと・特技はここだ!というところを見つけて、そこを重点的に勉強して下さい。
学生 TECH.C.に期待することはありますか?
阿部 これはTECH.C.だけではないんですけど、世の中の学生には良いものをたくさん見て、体験して、いろんなことを学んで、よりクオリティの高い作品を作ってほしいと思っています。ぜひ、がんばって下さい!