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企業×在校生 対談プロジェクト

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Students
  • 1年 ロボット専攻 三輪さん、木村さん
  • 1年 スーパーITエンジニア専攻 上村さん、松橋さん、サイさん(韓国出身)
  • 1年 プログラマー専攻 森田さん/1年 ネットワーク&セキュリティ専攻 ポンセさん(スペイン出身)
  • 1年 Webクリエイター専攻 ジョニさん(インドネシア出身)

特別講師

  • コマーシャルソフトウェアエンジニアリング
    エバンジェリスト
    千葉 慎二
    ハドソン中央研究所でゲームのベースシステムなどを開発したのち、マイクロソフトに転職。ゲーム機向けWindows OSやSDKの開発などを行う。近年は最新デバイスの技術を啓発するため、社外の支援活動を担当。

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日本マイクロソフト株式会社 × TECH.C.日本マイクロソフト株式会社×TECH.C

柱となるのは「AI」「MR」「ビッグデータ」
技術の力であらゆる人の生活をよくしたい

パソコンの世界基準ともされるOS「Windows」を生み出し、業界をリードし続けるマイクロソフト社。最新OS「Windows10」ではMR(複合現実)を取り込み、「Kinect(キネクト)」や「HoloLens(ホロレンズ)」など多角的なデバイスを発表。その開発の根底にある思いを、同社エバンジェリストの千葉さんに話を伺いました。

Contents

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みんなが進化の恩恵を受けられるよう新しいことに挑戦し、突き進む会社です

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学生 どのような仕事をされていますか。

千葉 私はエバンジェリストという仕事をしています。エバンジェリストとは、Windowsを始め、数ある弊社の技術をみなさんに“使ってもらう”役です。ただ使ってもらうのではなく、技術的なバックグラウンドを説明することで、ちゃんと納得していただく。1人でも多くの人に、信頼して弊社の技術を使ってもらうことをミッションとしています。そのために、常に新しい技術の勉強をしたり、講演会で話したりしています。

学生 マイクロソフトの理念、どのような考えでチャレンジしていますか。

千葉 理念は「Empower every person and every organization on the planet to achieve more(地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする)」。「人の力になること」を根底に持って活動して、実践しています。社会はどんどん進化していますが、その進化を享受できるのは全員ではありません。弊社では、技術によってあらゆる人がよりよい生活ができるよう願いながら活動しています。そのためには「新しい技術」を創造することが不可欠です。それを「どう使うか」、「どうクリエーションしていくか」という両面から考えながらチャレンジしています。技術にフォーカスして、そこに突き進もうとしている信念、技術を持っている点では非常に魅力的な会社だと思います。

学生 Windowsは今後どのように進化するか教えてください。

千葉 現在Windows10はどんどん進化しています。最新の「Fall Creators Update」にはMRが入りました。なぜかというと、人気が高くてビジネスになるということに加えてコラボレーションなどさまざまな可能性を考えているからです。つまり、時代の進化に合わせてOSも機能を進化する。その意味では、この先どう進化していくのかは、この先どう未来が変わっていくのかによります。こう進化するだろうと想像したことや、実際に何か進化があればそれがWindowsにも取り込まれていく。そのように時代に合わせて進化すると思います。

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リアルなユーザーの意見を反映しながら随時OSを改善する

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学生 OSの開発はどのように行っていますか?

千葉 最近は開発の仕方も変わってきています。私が担当していたころは、事前のテストが非常に重要で、社内で細かくチェックしてからリリースしていました。最近ももちろんテストはしていますが、ユーザーのみなさんの力を借りることも多くなっています。誰でも参加できるWindowsのインサイダープレビュー「ファーストリング」で、バグを見つけたら報告してもらう機能がありますし、使っていてバグがあった場合には、どんなところでクラッシュしたかが自動的にマイクロソフトに送信されるといった仕組みがあります。今後のOSの開発は、マイクロソフト社内の限られたリリースで行っていくのではなく、みなさんとともにOSを改善する方向に徐々にシフトしています。

学生 「HoloLens(ホロレンズ)」は初期費用が高いのはなぜでしょうか。また学校でもホロレンズを授業に生かせるのか教えてください。

千葉 弊社から出している「HoloLens(ホロレンズ)」は、頭に装着するタイプのMRデバイスです。光を出す「オプティカルシースルー」の仕組みに費用がかかるので、高価なのは仕方ないのが現状。もともと企業を対象にしていたので、現段階ではホロレンズを使った授業は展開していません。学校などの教育機関にもシフトしていく方向にあるので、この先、授業などで活用できる可能性はあります。また、ホロレンズではないのですが、PCにつないで使うVRセット「イマーシブ(没入型)ヘッドセット」であれば、4〜5万円で買うことができ、ホロレンズのAPIがほぼそのまま使えます。イマーシブヘッドセットで開発したものは、プラスアルファの機能でホロレンズでも動かすことが可能です。そのような使い方や開発の仕方も1つかもしれません。あと、エミュレータは無料ですのでぜひ使ってみてください!

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これからの技術者に求められるのはデータをより正確に判断できる力

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学生 マイクロソフトが注目している技術は何ですか?

千葉 弊社がいま取り組もうとしていることは「AI(Artificial Intelligence:人工知能)」、「MR(Mixed Reality:複合現実)」、「ビッグデータ」です。この3つを大きな柱としてビジョンを達成していこうとしています。その根底技術としてもう1つ注目しているのが「量子コンピュータ」です。これを使ってAI、MR、ビッグデータをよりよくしていこうと考えています。

学生 ARとMRの違い、量子コンピュータについて教えてください。

千葉 AR(Augmented Reality:拡張現実)は「Google Glass」のようなものをイメージしてもらうといいでしょう。眼鏡のレンズ部分に情報が表れるもので、自分がいる空間とは関係のない情報、例えばメールやチャットのメッセージ、天気などが表示されます。一方、MRは環境に左右されるものです。例えば、壁に開いた穴からエイリアンが出てくるゲーム。ARだとプレイヤーが振り向くと、壁にあった穴が目の前についてきますが、MRは本当に壁がある場所にしか穴が存在しない。MRは、環境自体をセンサーで判別しながらAR的表現をするものですね。量子コンピュータは、同時に何らかの計算をしないといけないときの答えを導くことができる能力に優れています。例えば、ここからある場所まで移動する最短経路はどれか? 一般のコンピュータで全部のルートを計算するのは時間がかかってしまいます。たどり着くまでにはさまざまな方法があり、さらに渋滞や公共機関の遅延など環境が影響しますが、それらを同時に計算して「これが最短」と1つの答えを出す、それが量子コンピュータです。しかし、すべての答えが得られるわけではなく、1つの答えしか得られません。たくさん方法はあるけれども最終的に1つのものを求めたいとき、例えばパスワードの解読などにおいては量子コンピュータが活躍します。

学生 AIの発達によって消える仕事や新たに出てくる職業はあるでしょうか?

千葉 AIによって仕事がなくなると言われることもありますが、実はそれほど完璧なものではありません。AIによって便利な生活を手に入れることはできるかもしれませんが、出してくる答えは100%確実ではない。依存してしまうとたいへんなことになる可能性があります。例えば、AIの判断が人命に関わることだったらどうでしょうか? やはり最終的な判断は人間がしなくてはならないし、役割だと思います。人間のやるべきことを考えながら活用すれば、うまくAIと共存できると思います。今後、AIに勢いがついていくとデータが集まってくる。AIの元はビッグデータなので、そのデータをうまく活用するような、例えばデータサイエンティストや、データをより正確に判断できる人材というのが求められるかもしれません。

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これからの技術者に求められるのはデータをより正確に判断できる力

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学生 現在のAIはどのように進化していくと思いますか?

千葉 大きく分けるとAIには「アシスタントとしてのAI」と「コミュニケーションとしてのAI」とがあります。前者の代表的なものはWindowsの「Cortana(コルタナ)」やアップル社の「siri(シリ)」、後者は「りんな」のようなもの。例えば「明日が晴れる?」と聞くと、コルタナやシリは「晴れ」「雨」「曇り」などちゃんとした気象情報を教えてくれますが、りんなは「明日は出掛ける予定があるの?」といったコミュニケーションを含んだ返答をします。今後、これらはどちらも必要で、同じように進化していくと思います。アシスタントとしてのAIは、迷惑メールのフィルタリングやショッピングサイトでのリコメンド(オススメ機能)など、コミュニケーションとは関係ない点で優れています。一方で、障害者を支援するためのツールとしてはコミュニケーションAIのほうが得意だと思います。例えば、ALS(筋萎縮性側索硬化症:脳から筋肉に命令が伝えることができない難病)の患者さんが、視線入力装置(目の動きで文字を入力する機械)を使っていて入力ミスをした際、「この人はどんなことをしたいのか」「どの文字を入力しようとしているのか」——その予測変換を出せるのは、アシスタントの仕事です。どのように進化するかという質問は難しいですが、やはり社会全体の底上げになるようなものが必要ですし、そのような方向に進んでいくと思います。

学生 最近「SOPHIA」という人型AIが出ましたが、そのようなAIはITの業界の未来に影響を与えますか?

千葉 なかなかそこは難しいところで、AIは別に人の形でなくてもいい。モノなのでモノの形でいいのですが、やはり人はパッと見たときにデバイスとして認識します。「より便利にするため」には、人や動物の形にする必要はないのですが、「人の心に訴えかける」といった面では必要になるかもしれません。心に訴えかけることで商売につながるようなものなどがあれば、人型AIのようなものは進んでいくと思います。私個人の考えでは、それよりも、体に装着するなどデバイスのような形で社会がよりよくなっていくのではないかなと思っています。

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勢いがあってやる気もあふれる有名クリエイターに最も近い専門学校

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学生 マイクロソフトに入るために必要なスキルや条件があれば教えてください。

千葉 技術職ならプログラム、マーケティングであれば語学力など、職種によって違いますが、共通して必要なものは調整する力。会社に入るとさまざまな人と一緒に仕事をします。その人たちと共生しながら仕事をしていかなければならないので、一緒に仕事をするための上手なやり方、調整力というのはどの職種にも必要だと思います。

学生 TECH.C.に期待すること、この業界を目指す学生へエールをお願いします。

千葉 ゲームショウを見学したことがあるのですが、ゲームのクオリティを見ても非常にレベルが高いです。ちゃんと形にして、しかもゲームショーのような大きい場所に展示する。勢いとやりきる気持ちを持った素晴らしい学校ですし、有名なクリエイターになるためにいちばん近い専門学校かなと私は考えています。やることを決めたらその方向に一直線に進んでほしい、実際に手を動かすようにしてほしいです。弊社が考える「社会をよりよくする」ということを頭の片隅に入れて、「自分のしていることが世の中をよくする」といった観点から、技術を磨いて活動してほしいです。もし縁があればマイクロソフトにも来てください。

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勢いがあってやる気もあふれる有名クリエイターに最も近い専門学校

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学生 学生時代にやったほうがいい、やらなければならないことはありますか?

千葉 学生時代にやらなければならないことは特にありません。自分が「将来どうしたいか」を常に考え、自分が信じることをするべき。これをすべき、したほうがいいではなく、信じる道を自分自身で見つめて実践するといいのかなと思います。

学生 いま興味が多く、最終的に自分がどこに行き着きたいかわからない。そのような場合、やりたいことはどうすれば見つかるのでしょうか?

千葉 あまり深く考えなくていいと思いますよ。私がなぜハドソンに入ったかというと、中学生のころ、ゲーム大会で高橋名人に会ったことがきっかけ。そのとき私に言ってくれたのが「お前ゲームのセンスあるからハドソン来いよ」と。そのひと言が嬉しくて、ハドソンに行きたいと思うようになりました。単純ですがそれでいいんです。ただ大学生の頃には「社長になりたい」と考えたことがあり、様々な会社で社長業とはどのようなものか間近でみさせてもらいました。そこで、自分にはもしかすると社長は合わないかもしれないと思いながらも、社長になりたい気持ちもなくならない。最終的に私が出した結論はハドソンに行くことでした。ハドソンに行ってそこで社長になればいいのではないかと(笑)。そんな感じで大丈夫なんです。もちろん一直線に向かう気持ちも必要ですが、やってみないとわからないこともあるので、もし気になることがあるのであれば、少しだけ自分に合っているかどうか、若干より道はしてもいいと思います。より道したことが経験になればいい。最終的には極めてもらいたいですが、どこが自分にもっとも向いているかは自分自身で行って調べることも重要だと思いますよ。

夢に向かって一直線に進んで、実際に手を動かしてほしい

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