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自社の技術やコンテンツによって世界中の人々に驚きと感動の映像体験を届けたい
VRやゲームエンジンなど最先端の技術分野にも目を向けていく

「GANTZ:O」「BLEACH」「いぬやしき」や、「未来のミライ」を始めとする細田守監督作品など数々の話題作を手がけるデジタル・フロンティア。TECH.C.を卒業後、 同社に入社し、プロダクションマネージャーとして活躍する吉井さんを訪問。管理部の増田さんにも同席いただき、会社全体として考える今後の展望などを伺ってきました。

特別講師

CG制作部 プロデューサー
吉井 博之

2011年TECH.C.卒業後、デジタル・フロンティアに入社。外部と社内の連携をはかるプロダクションマネージャーとして、「龍が如く0」「GANTZ:O」「アイアムアヒーロー」「DEATH NOTE」「いぬやしき」などのプロジェクトを担当。

管理部人事担当
増田 奈津子

以前はグループ会社の人事部で採用・研修等を担当。2019年4月に、(株)デジタル・フロンティア管理部に異動。現在は主に採用業務・人事労務を担当。

学生

  • 2年スーパーCG映像クリエイター専攻 後藤さん
  • 1年CG映像クリエイター専攻 小林さん
  • 1年CG映像クリエイター専攻 グォンさん
  • 1年CG映像クリエイター専攻 太田さん
  • 1年スーパーCG映像クリエイター専攻 尾崎さん
  • 1年スーパーCG映像クリエイター専攻 木村さん
  • 1年スーパーCG映像クリエイター専攻 堤さん
  • 1年スーパーCG映像クリエイター専攻 淡路さん

「フルCG」を極めながらさらなる海外への展開も目指す

学生

デジタル・フロンティアが目指しているところは何でしょうか

増田

弊社が中長期のミッションとして掲げているのは、「2030年までに、世界中の子どもたちとその家族に“驚きと感動を与える良質なコンテンツ“と“心躍る映像エクスペリエンス(体験)“を届けるデジタルスタジオを目指す」ことです。これまではクライアントからの依頼を受けて映像を作ることがメインでしたが、今後は企画やIP(Intellectual Property:知的財産)の開発にも力を入れていきます。すでに中国等、アジアの会社からお仕事の依頼をいただいておりますが、より世界的に活動をしていきたいと考えております。また引き続き、フルCGにもこだわり、極めていきたいです。

学生

会社の雰囲気はどのような感じでしょうか。

増田

一見おとなしく、シャイな人が多いのですが、質問をするととても丁寧に説明してくれますし、仕事に情熱をもって働いている人が多いと感じています。

吉井

私はマネージメントをする部署にいるので、クライアントと話す場面が多いこともあり、コミュニケーション力の高い人が集まって和気あいあいと働いています。それぞれの部署によって雰囲気は異なりますが、上司は気さくな方ばかりで、何でも話せるし相談しやすい環境。飲みに連れて行ってもらうこともありますね。同僚や後輩とも仲がよく、プライベートで遊ぶこともあります。

学生

入社して適応することで大変だったことは何ですか?

吉井

実は私は学生時代にCGを学んでおらず、知識がないところからのスタートでしたので、学びながら仕事をしていくのは大変でした。あとは社会人のルール。外部とのメールや電話でのきちんとした言葉遣いが最初は難しかったですね。

学生

外国人の社員もいるとのことですが、どのくらいの日本語能力が必要でしょうか?

増田

社内のお知らせは英語に翻訳して出していますので、日本語ができなくても日常的な業務にはそれほど問題はないと思います。ただ、やはり話せたほうがコミュニケーションは取りやすいです。弊社で活躍している外国人の方は働きながら日本語を勉強されているようです。

社内外、双方の思いを的確に汲み取りながら要点を押さえて丁寧に伝える

学生

どのようなお仕事をされ、これまでにどんな作品に携わってきたのでしょうか。

吉井

主な仕事はプロジェクトのスケジュールや予算の管理、クライアントとのやり取りになります。社内のスケジュール設定から納品までの管理をしています。プロジェクトを円滑に進めるための会議のセッティングやコミュニケーションも含まれます。社内のチーム間のコーディネーターも兼任しているので、さまざまな作品の納品の手伝いやスケジュールを管理しています。入社してからは「龍が如く 維新!」や「龍が如くゼロ」、実写の「アイアムアヒーロー」「BLEACH」「いぬやしき」などにも携わりました。

学生

プロジェクトを進める上で心がけていること、気をつけていることは?

吉井

基本的に、プロジェクトごとに定例会を開き、進捗状況をメンバー全員で共有しています。大切なのは、議事録として文面で残して、いつでも誰でもウェブで閲覧できる状態で保管することです。機械的にならないよう、普段からコミュニケーションも大事にしています。私はクライアントと社内の中間にいる立場です。クライアントから聞いてきた「作りたいもの」を的確に社内のデザイナーに伝えることには最も気をつけています。一方、クライアントの信頼を失わないように丁寧に話をする。いずれも要点を押さえて話すことを心がけていますね。

学生

アイデアを生み出すコツは何ですか?

吉井

思いつめるといいアイデアが思い浮かばないこともあるので、時間に余裕があれば一度別の仕事をしたあとに考えてみたり……。違う作業をしながらのほうがパッと思いつくことも多いですね。

学生

CGの仕事は楽しいですか?

吉井

楽しいです。もちろん大変な面もありますが、CGはゲームや映画、アニメ、PV などあらゆる分野に関われる仕事。私は映像全般が好きなので非常に楽しいです。

自分の目で確かめることは大切 早くから
目標を定めることも夢を叶える近道に

学生

プロジェクトを進める上で問題が発生した場合、改善・解消するための手段があれば教えてください。

吉井

よくあるのはクライアントさんからの依頼を受けた際の問題です。先方が求めているものと予算が合うかどうかなど、さまざまな点にぶつかりますが、弊社としては要望に応えたい。そこで、話し合いを重ねながらすり合わせを続けて、解決策を見つけるように努めています。

学生

モデリングをするときに参考にするものはどのように探しているのでしょうか?

吉井

ものによるのですが、背景のビルや小物はインターネットで調べたり、例えば渋谷の街を作る場合には、デザイナーが実際に訪れて撮影したものを参考にしたりすることもあります。自分で作るものは、やはり自分自身で確認したほうがよりいいものができる。上司や先輩に「これを参考にするといいよ」とアドバイスを受けた際も、中身を自分で見てしっかり把握することが何よりも大切だと思います。

学生

MaxとMayaの使用比率は?

吉井

現在、Maxはほとんど使っていません。もともと弊社はMayaメインで、一時期エフェクトチームでMaxを使っていましたが、今はHoudiniに移行しています。ただ、Maxもライセンスとしては持っていますし、弊社子会社の現場を始め、Maxをメインで使っている会社とのやり取りの際には使います。セルルック系のアニメ仕事ではMaxのペンシルをメインで使っているところが多いですが、弊社は特にリアル系が多いのでMayaが主流ではありますね。業界や会社によりけりです。早い段階で行きたい会社を見つけたら、そこでメインとなる使用ソフトを見極めることも大切だと思います。

今のうちにいろんな経験をして“自分の時間”で何かを作り上げてください

学生

ポートフォリオで一番重要視する点は何ですか?

吉井

クオリティはもちろんですが、その作品にどれだけ時間を費やしたか。それは見ればわかりますし、自然と作品に反映されます。さらに、学校の授業の一環のものではなく、自分の時間で作り上げたものであれば、こちらも「おっ!」となります。

学生

学生時代にもっと勉強、経験しておけばよかったことを教えてください。

吉井

個人的にはCGを学びたかったですね。社会人として働いていて思うのは英語。みなさんも学校で英語の授業があると思うのですが、そこはしっかりやっておいたほうがいいです。私はあまり真面目な学生じゃなかったので…(笑)。また、映像作品はたくさん観て経験してください。社会人になると自由な時間が限られてくるので、今のうちに映画やPV、ゲーム、何でも観ておくといいと思います。

学生

休日は何をしていますか?

吉井

きっとみなさんとそんなに変わりませんよ。映画を観たり、漫画を読んだり、ゲームをしたり…。たまに同僚や学生時代の友達と飲みに行くなどです。個人的にはフィギュア集めが趣味で、最近は写真の勉強に興味を持ち始めました。社内の人からも聞いたのですが、カメラを学ぶと、ライティングの重要さなど、仕事でも活かせる知識が身につくかなと思います。

親身にサポートしてくれるTECH.C.たくさん学んでいつか一緒にいいものを!

学生

CGに携わる会社ではどのような人材が求められ、どんな勉強をしておくべきでしょうか。

吉井

デザイナーの場合、技術力はもちろんですが、リーダーはコミュニケーションもしっかり取れる人が多いですね。自分の意志をどんな人にも正確に伝えられる人間が必要とされると思います。リガー(アニメーションのセットアップ)やモデラー(人物やモノを立体的に形作る)を目指すのであれば、人体の構造などはよく学ぶといいでしょう。CG上ではどんな調整もできるのですが、本質的な筋肉の動き方や骨の仕組みを理解できていないと不自然な動きになります。ぜひ学生のうちから勉強してください。また弊社の場合ですが、アニメーターであればMotion Builderは使えたほうがいいと思います。弊社モーションキャプチャースタジオ「オパキス」で撮ったデータは、基本的にMotion Builderを使ってアニメーション作業をしています。

学生

テクノロジーの発展に伴い、業界はどう変わっていくでしょうか。その変化に対して、学生のうちから備えられることがあれば教えてください。

吉井

近年はVR(仮想現実)やゲームエンジンが伸びているので、弊社でもUnreal EngineやUnityなどの技術分野の開発には注目しています。5G(第5世代移動通信システム)が世に普及した際には、データの転送速度が高まる。レンダリングなどもクラウド上でより簡単にできるので、今よりもスピードが求められるかもしれません。新しいものを学ぶことは労力を使うものですが、それをストレスと感じずに受け入れられることが大切です。新しい技術 は次々と出てきます。勉強しなければ置いていかれる世界ですので、柔軟に対応できる能力が必要です。

学生

TECH.C.や学生に期待すること、エールをお願いします。

吉井

私はTECH.C.のOBですが、自分のやりたいことを伝えれば、目標に向かって親身になって協力してくれる学校です。進路も時間をかけて一緒に考えてくれました。自分のしたいことを見据えてどんどん相談してください。また、みなさんが今後、映像やゲーム、CGなどに進んだ場合には、何らかの形で関わることもあるかもしれません。「いいものを作りたい」という思いは私たちと同じだと思うので、学生の期間で学べることはたくさん身につけて、いつか一緒にいいものを作りましょう!

増田

まだ具体的な将来を考えるのは難しいかもしれませんが、皆さんが就職活動をする際に、弊社が選択肢の1つになればうれしく思います。