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想像を超える世界がすでに実現している時代技術によってさらに「よりよい世界」を創造し続ける

パソコンのOS「Windows」を筆頭に、近年はMRデバイス「HoloLens」などで話題を集める日本マイクロソフト株式会社。その技術によって、私たちの生活はより便利になり、将来にも新たな可能性が見えてくる。文教営業統括部の若生さんと、テクノロジーで変革したいと新卒で入社した石山さんを訪ねました。

特別講師

パブリックセクター事業本部
文教営業統括本部 統括本部長補佐
若生 充央

18年間IT企業にて、主に通信業界の顧客を担当した後、2018年に日本マイクロソフト入社。教育分野全般における業界担当として、ビジネス戦略、企画立案に従事

パブリックセクター事業本部
文教営業統括本部 ティーチャーエンゲージメント
石山 将

2019年に日本マイクロソフト入社。教育版マインクラフトなどの教育ツールの普及活動やマイクロソフト認定教育イノベータープログラムを運営。上記プログラムを通じて、主に現場の先生方と、テクノロジーを用いた指導案の作成・実践支援・発信支援を行う

学生

  • 1年 プログラマー専攻 古藤さん
  • 1年 プログラマー専攻 緒方さん
  • 1年 プログラマー専攻 石関さん
  • 1年 プログラマー専攻 リさん
  • 1年 プログラマー専攻 シナンバンさん
  • 1年 スーパーAIクリエイター専攻 瀬戸さん
  • 1年 スーパーAIクリエイター専攻 キールさん
  • 1年 スーパーITエンジニア専攻 武田さん
  • 1年 ロボット&IoT専攻 アジムさん

自社テクノロジーの強みを理解したうえで最良の提案を

学生

貴社の理念、社風や雰囲気などを教えてください。

若生

マイクロソフトには、CEOのサティア・ナデラが話す「Empower every person and every organization on the planet to achieve more.(地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする)」を企業ミッションとしています。つまり、世の中のみなさんによりよくなってもらうこと。これを第一に考え、そのための開発や営業に励んでいる状況です。

学生

どのような仕事をしているのでしょうか?

若生

私は文教部門で、小・中・高校、大学の教育を担当し、子どもたちにとってよりよい未来になるための仕事をしています。例えばプログラミング。小・中学校では「Minecraft Education Edition(教育版マインクラフト)」や「MakeCode (メイクコード)」、高校や大学では「Azure(アジュール)」を使った、テクノロジー面からの取り組みについて展開しています。

石山

教育部門ティーチャーエンゲージメントとして、学校の先生に寄り添いながら授業を一緒に作っています。具体的には、弊社の「Minecraft Education Edition」というツールや「Teams」と呼ばれるコミュニケーションハブなど、実際の企業でも使われているようなテクノロジーを、学校ではどう使えるか、どう効率的に学び、深めていけるか。このようなことを現場の先生と模索しています。

学生

今、貴社は何に力を入れていますか。

若生

まずはみなさまに本当によりよくなっていただくこと。そのために日々我々はどうすればよいかを考えていて、それが製品に反映されると思っています。弊社では「Tech Intensity(テックインテンシティ:技術の強み)」も大切に考えています。社員全員が、弊社のテクノロジーをしっかりと理解した上で、お客さまにとってさらによいものを提案し、作リ出すのが我々の仕事です。

ほかにはない影響力の大きさ改革の可能性を持った会社だと思います

学生

貴社の魅力、また入社の動機などを聞かせていただきたいです。

若生

私は長いことIT業界にいますが、弊社がほかと大きく違うのはやはり規模です。「マイクロソフト製品」は本当に多くの方に知っていただいている。つまりそれだけの影響力があるということです。また、政府などにも話がしやすく、実際に私たちは、官公庁や総務省、文科省などの新しい政策を手伝いながら、一緒に商品を作っています。これも弊社ならではだと思いますね。一般的に外資系の企業はなかなか政府の理解を得るのがむずかしいのですが、弊社は製品の力が強いのでしっかりと影響力も持っている。そこが最大の魅力だと思います。

石山

私の一番のモチベーションは「何か史上初のことをする」。小さい規模でもいいのですが、何かワクワクする、誰もやったことのないことをしたいという欲求があります。それを社会に置き換えた時、今何が社会を変えているか…変革の動力はまさにテクノロジーです。また、大学時代には、留学先で「エデュケーションテクノロジー」を学び、塾講師をするなど教育分野に携わっていました。その2つの軸から「教育業界を変革する」こと、より大きくできることやできる会社を探した時に、ハード面とソフト面、さらに社員のマインドセット(考え方や価値観、信念)も含めてポテンシャルを感じたのがマイクロソフトでした。

学生

上司や後輩、同僚との関わりは?

若生

外勤の仕事をする人もいるので、飲み会が多いわけではありませんが、非常に雰囲気よく、ディスカッションとなれば、年齢関係なく熱く議論を交わせる人たちが多いです。もともと階層が少ない会社なので、みなさんフラットで仲よく仕事をしていますね。

みなさんが望む方向に世の中は変わっていく技術の可能性を逃さず新しいものを生み出す

学生

貴社の技術によって、今後どのように未来は変わっていくのでしょうか?

若生

いい質問ですね。みなさんが「やりたい」「もっとよくしたい」と思う方向に世の中は変わっていくと思います。小さなことから大きなものまで、みなさんそれぞれ違うと思いますが、そのすべてが実現に近づけるよう、私たちは日々技術を作っています。

学生

AIやクラウドの活用は日本の社会変革につながると思いますか?

若生

さまざまな手法があると考えています。昨年、弊社では近畿大学水産研究所様、豊田通商株式会社様と連携してマグロの稚魚をIoTとAIを使って見分ける技術を開発しました。稚魚は非常に細かく、人間の能力には限界がある。それをコンピュータビジョンによって選別するものです。また例えば、農業の世界では、天候予測などが農家を助ける手段になりますし、教育分野でも、生徒全員を把握するために映像を活用することなどで先生の負担を減らすことができるかもしれません。これも社会変革のひとつ。AIには本当に多くの可能性がある。その可能性から、新しいものを生み出していくことが社会変革につながると思っています。

学生

貴社では2020年東京オリンピックに向けてどのような取り組みをされていますか?

若生

ひとつには「働き方改革」があります。みなさんも観たいですよね?(笑)すでに弊社では、トライアルとして2019年8月の1か月間、金曜日を休みの週勤4日を実施しました。社員は「Teams」というグループチャットを使っています。テレビ会議ができますので、フロアにいてもいなくてもどこでも仕事ができる環境が整っています。オリンピックに向けて、というわけではないのですが、日頃から弊社社員は自己責任で仕事することを心がけています。 テクノロジー面では、交通系などでお手伝いする取り組みもあります。

早いスピードで進化する技術と
人間の倫理によって世の中はよりよくなる

学生

技術の進歩についていくために大切なこと、また貴社ではそれに対応するためのサポートはありますか?

若生

まずは技術に興味を持つことです。よりよいものを生み出すために新しい技術は出てきて、日々進歩します。もうひとつは、先ほど話した「Tech Intensity」。テクノロジーの理解を深めることも大切な要素です。弊社では「Azure」や「Microsoft 365」など、自社製品の資格試験やトレーニングに関してサポートがあります。

学生

AIの長所や短所、また影響は何でしょうか。倫理的な問題はどう考えていますか。

若生

確かにAIのメリット・デメリットはさまざまあります。昨年、チェコで行われた「ヒューマン・レべル・AI」カンファレンスでの発表によると、5〜10年以内にはほとんどのことが、20年以内にはほぼ人間と同じレベルのことがAIにもできるようになっている。便利になる一方で、軍事用途や監視システムなどに使われると怖いですよね。また、MIT(マサチューセッツ工科大学)では、悪いイメージばかりを学習させた「ノーマン」というサイコパスAIの研究を行っています。ある絵を見せた時、普通のAIは「花をいけた花瓶」と言ったのに対し、ノーマンは「射殺された男」と判断したのです。入れる情報によってAIは変わるので、どう使うかを考えなければいけませんし、そこには倫理が介入する。弊社が発刊した電子書籍『The Future Computed』では、公平性やセキュリティ、透明性などAIに求められる倫理について触れています。AIには悪い・よい両方の側面があるからこそ、今AIを 使って人間が倫理をちゃんと考えないといけない、世の中はそのように変わってくるでしょう。

学生

MRの現状と今後について聞きたいです。

若生

「HoloLens 2」が発表され、視野角が広くなったことで仮想世界はますます現実に近づいてきました。仮想世界と現実世界を完全にミックスしているような状況がすでにありますし、今後はさらに密に繋がっていくでしょう。現在は、車の設計や医療の世界でも活用されています。例えば、「HoloLens 2」を使えば、紙の設計図がなくても自動車のメンテナンスができますし、体内の状態を見ながら手術することも可能です。精度が上がれば、さらに企業の技術と現実世界を融合できる。先日のサミットでは、「HoloLens 2」で作った“自分の擬態”のデモが行われていました。“自分”が英語で話すと、数秒後には擬態が日本語で話す。まるでもうひとりの“自分”がいて、かつ言語も変換しながら会話できる世の中がもうできているのです。みなさんにも、このような技術を使って、もっとおもしろいものを生み出してもらいたいと思います。

多様なリスクのあるクラウド時代
高度なセキュリティで安全を提供する

学生

日本はセキュリティ意識が低いとよく聞きますが、貴社ではどのような対策をされていますか?

若生

先日アジアサミットに参加しましたが、アジア地域の中でも日本のセキュリティの堅牢さはトップクラスでした。特に企業の世界ではセキュリティ意識が非常に高い。ただしスマートフォンなどを含め、一般の方になると少し下がるかもしれません。弊社では、企業だけでなく個人にもセキュリティを高める製品を提供しています。例えば、企業向けの「Microsoft 365」には、事業を安全に保つための脅威対策が組まれています。ある従業員が悪意のあるターゲット広告をクリックしてしまい、自身のPCに不正侵入を許すことになった場合、セキュリティソフト「Windows Defender」APPはすぐにこの新しい脅威を識別し、そのデバイスのリスクレベルを「高」に設定します。同時に自動化された調査と修正プロセスを開始。その間、デバイスは普通に使えますが、脅威が完全に撃退されるまでは条件付きアクセスなど企業の機密データへのアクセスはブロックされます。このようにデバイスのリスクレベルに基づき、企業データへのアクセスをコントロールすることで、常に信頼できるデバイス環境の提供が可能です。

学生

インターネットを使っていてサイバーアタックが起きた時、データがなくなるなどのリスクはどう回避しますか?

若生

「ゼロトラストセキュリティ」はご存知でしょうか?ゼロトラスト=「信用していない」。かつては、さまざまなセキュリティツールやソフトを入れることで頑丈に守っていましたが、今やインターネットは当たり前。外から入ってくるリスクを前提に、更に上のレベルのものを作っています。ゼロトラストセキュリティ製品で、データがなくなることはほとんどないといってもいいでしょう。弊社のセキュリティアタック対策は世界一です。データは何重にもバックアップして管理されていますし、それがクラウド上で担保された状態。リスクを減らした状態、そのような観点のもとで製品開発をしていますので、その点はご心配なくお使いください。

石山

ゼロトラストセキュリティに関していえば、今まで「ファイヤーウォール」の中、ネットワーク内なら安全だと思われていました。しかし、今はクラウド時代、さまざまなネットワークがつながっていると、閉域網の中だから大丈夫ではなくなってきた。そこで何を守るかというとひとつがアイデンティティ、ID管理が非常に大事になっています。IDを守るためにセキュリティを組んだものが弊社製品の中に組み込まれていますし、IT企業では主流の考え方になっています。

広い視野でたくさん体験して豊かな創造性を身に付けてほしい

学生

貴社で最も重要視されるスキルは何ですか?

若生

“創造性”でしょうか。弊社のテクノロジーによって、新しいものを生み出すことが非常に重要です。お客さまと何かに取り組む際にも、既存のものをどう変えるかではなく、これまでにないものを一緒に考えて作りますし、課題に対しても固定観念にとらわれず新たなものを“創造”することを心がけています。

学生

新しいものを作る際、アイデアの出し方はどのようにしていますか。

若生

弊社ではみんながアイデアを出し合う形が多いです。「デザインシンキング」といって、結論からロジカルに考えて導き出すのではなく、イメージからディスカッションしながら新しいものを生み出しています。

石山

流れの一環として、昨年度「デザインジャパン推進室」という部署を設置しました。ワークショップなどを開き、お客さまとひとつの場に集まって、課題や興味分野に対してアイデアを集約して形にしていく手法です。我々のテクノロジーでどんなサポートができるかなどは、そこで話し合っています。

学生

貴社がTECH.C.に期待することはありますか?また業界を目指す学生にエールをお願いします。

若生

今、自分の目の前にあるテクノロジーはごく一部かもしれません。新しい世界にもっと興味を持って多くのことを知ってほしい。みなさんの知らないことはまだたくさんあります。私たちも世の中に発信しているので、そのような最先端の情報をキャッチアップして新しいものを生み出してください。我々よりも若いみなさんが考えた方がいろんなアイデアが出てくるはず。今のうちに積極的にいろんな体験をして、「これはすごい!」「今の技術でこんなことができるんだ!」といった驚きや感動をもって創造してください。みなさんには世界を変えてほしいと思います。