2011.05.01

デザイナー・竹安佐和記氏特別講演

デザイナー・竹安佐和記氏特別講演

5月1日(日)、デザイナー・竹安佐和記氏による特別講演が行われました。

竹安氏は、株式会社カプコンにて「デビルメイクライ」のモンスターデザインや、その後クローバースタジオにて「大神」の妖怪デザインなど、さまざまなゲームのデザインを手掛けられてきたデザイナー。

現在は株式会社crimの代表として、4月28日に発売されたばかりの話題の3Dアクションゲーム「El Shaddai」においてデザイナー兼ディレクターを担当するなど幅広く活躍されています。

この日は発売直後の「El Shaddai」の話以外にも、これまでのデザイナーとして携わった作品の制作秘話など、ゲーム業界を目指す学生に向けて講義いただきました。

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「僕は大学を出てカプコンに入社したのですが、そこでたまたま配属されたチームで『デビルメイクライ』という作品に携わったのが始まりでした。

カプコンはアグレッシブな会社で、オリジナルタイトルの制作が多いんです。オリジナルタイトルのいいところは、前例がないので新し試みが許されるところ。新人が新人扱いされず、みんなで試行錯誤していくことができるという環境でした。実際のところ10本制作して6、7本はボツになるといわれるなか、発売できるタイトルの制作に携われるのは幸せなことで、そういう運に恵まれてデザイナーとして活躍させていただくきっかけとなりました。」

 

その後、デザイナーとして幅広く活躍し、もっと高みを目指したいと思い、独立してフリーで活動することに決めたという竹安氏。

最新作の「El Shaddai」はプロモーション映像が発売前からかなりの反響を呼ぶなどの話題作でもありました。それについては「大切にしたかったのは、話題性。当初から、話題満載な映像を制作しようと思っていました。」ということ。

 

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実際にホワイトボードを使って「El Shaddai」のキャラクターをささっと描いてもらうと、来場者はすぐにどのキャラクターか分かった様子。

「デザイナーとしてのひとつのゴールは、人前で自分のキャラはすぐに描けないといけないし、説明しなくてもわかってもらえるということ。僕はその道17年か18年くらいになりますが、その道は非常に険しいです。

『デザイナー』という肩書はシビアなことをいうと都合のいい名前でもあるんですね。なので『デザイナー』という肩書を名乗るなら、その中で自分は何かということを明確にしておくことが大事。

WebデザイナーならHPを作ってるとか、雑誌の広告デザインをしているとか、どういうジャンルに属しているのかを頭の中で自覚しないとブレてきます。

例えばスポーツの世界だと『運動のうまい人』でなく、『サッカーがうまい人』、『バレーがうまい人』、とかジャンルが分かれてますよね。

絵も同じでジャンルがあるんですが、絵の世界って「描けます」というとなんでも描いてくださいと言われがちになる。
僕もキャラクターデザイナーとしてやってきましたが、背景は描けないんですか?とかレイアウトできないですか?とか多方向からのオーダーが来やすいジャンルなんです。オーダーする側も、受ける側もお互いの専門職の理解ができにくいのが、デザイナーが伸びていきにくい理由のひとつ。なので、自分が属するジャンルを自覚しておくことはとても大事です。」

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また、実際にデザインを勉強している学生に対して具体的なアドバイスもいただきました。

「デザイナーにはWEB、CG、ファッション、建築など色々ありますが、今回は絵描きとしてのデザイナーについてお話します。みなさんにいちばん言いたいのは、絵を描くことは絶対的な「スポーツ」だということ。
大事なのは鍛錬で、必要なのは『見ること』『描くこと』そして『繰り返すこと』。これが90パーセント以上の人ができないことなんです。
とにかく『見て、描いて』を繰り返す。

見方に関しては、自分の体の性能を知ることができるので視野角を知ることをおすすめします。
また、身近なところで最高の勉強場所になるのがコンビニ。コンビニの陳列って、お客さんがぱっと見て気に入ってもらわないといけないので、そこで目立っているものを知ると勉強になりますよ。

描くということに関しては、クロッキーを重点的にやるといいです。なんでかというと、手っ取り早く諦めずに出来るから。特にマジックや筆ペンでやるのがおすすめです。

良く見るということと、クロッキーを重点的に描くということは、必然的なもので、自分がこれからどんな絵描きになるろうとも絶対に損しません。これらを継続的にできるだけ毎日繰り返すことですね。

また、良くないのは好きな絵だけを真似すること。これだと二次創作のなかから抜け出せない。
最終的には営利目的につながらないとプロとしてやっていけないので、クライアントのオーダーに応えられるようにオリジナリティと技術力を身につけて欲しいです。」

 

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最後に、これから業界を目指す方にメッセージをもらいました。

「夢は叶います。叶えるためにある。誰もが天才になる可能性があります。
どうしてもやれる自信がないとか、人生で迷っている人はこう考えてみてください。
80歳くらいになって病床にいる自分を想像したときに、なにが欲しいか聞かれたら?

その答えは間違いなくお金でなく、健康だったり若さだと思うんです。
自分が人生の最後に欲しいものを、今自分は持っている。この世で一番大事なものを持っているのに活かさないというのは失礼ですよね。
嫌な記憶というのはちゃんと消えていきますし、良い記憶を作れば作るほど、良い記憶しか残らないものです。

いちばん怖いのは止まること。だから失敗を恐れずにどんどんチャレンジしてください。」

 

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