CAD技術者
technology

CAD技術者

CAD技術者の体験授業はこちら

CAD技術者とは

自動車や家電製品をはじめとする機械の設計図を作成する

CAD技術者(機械系)とは、CADソフトを用いて機械の図面設計を行う仕事で、CADオペレーターと呼ばれることも多いです。自動車や家電製品、スマートフォン、PC、精密機械、工作機械などあらゆる機械の図面を、設計士の指示通りに製図していきます。機械CADソフトは大半が3次元で設計するもので、業界によって使用するソフトが異なる傾向にあります。自動車業界や航機・造船業界は大規模かつ複雑な設計製図に適した「CATIA(キャティア)」、家電や精密機器業界では中規模な製図に適した「SOLIDWORKS」がよく使われます。また、自動車業界から家電業界まで幅広く使われているのが「Creo Paramatoric」です。これらに代表されるCADソフトを駆使して設計した製図を元に、部品や機材などが実際に開発されることになります。

どんな仕事?

部品データから設計図まで作り上げる

CAD技術者(CADオペレーター)は、設計士の指示に基づいてCADソフトで設計図を製図していきます。設計士もCADソフトのスキルが求められることがありますが、基本的には設計士とCAD技術者の業務内容は分かれています。設計士は機械の目的や機能を前提に部品や形状などを設計し、CAD技術者は設計士が考えた形を実際の図面として書き起こします。では、CAD技術者の仕事の流れを具体的に見ていきましょう。

  • POINT01

    部品データの作成

    設計士の指示を元に、部品データの仮想モデルを3Dで作成します。部品データはパーツとも呼ばれます。機械の全ての部品を網羅する必要があり、部品は細かく複雑な形状をしていることもあるため、正確な作業が求められます。

  • POINT02

    アセンブリの作成

    作成した部品データを組み立てるアセンブリという作業を行います。この際、部品同士にぶつかりがないか、干渉しないかをチェックします。

  • POINT03

    ドラフトの作成

    部品の鑑賞がなければ、3Dデータから2Dデータの図面(ドラフト)に変更します。近年は3Dデータが普及していますが、2Dデータの図面も根強く使用されているため、2つのパターンを用意することが一般的です。

  • POINT04

    データの保存

    ドラフト作成後はデータを保存します。その後、追加で作成が必要な図面が発生すれば、保存データを元に新たな部品データを作成していきます。

どうすればなれる?

CAD技術者_sub

CAD技術者への道のり

CAD技術者(CADオペレーター)はCADソフトの操作方法という専門知識が求められるため、独学で習得するのは容易ではありません。また、現場で使用されるCADソフトは高価なものが一般的なため、個人で購入するのも難しいでしょう。そのため、CADソフトのスキルを学べる専門学校や大学に通い、技術を身につけることをおすすめします。また、実際の現場で働くためにはCADソフトが使えるだけでは物足りず、機械図面の表現方法である第三角法による投影法、機械製図の規格である「JIS B 0001」なども理解する必要があります。機械系のCAD技術者を目指すなら、それらの知識も学べる学校を選ぶべきです。また、CADソフトが使われる現場は機械系だけでなく、建築系やインテリア系、デザイン系など多岐に渡ります。それらの違いも理解した上で、進路を検討するようにしましょう。

求められる知識・資質を磨く

  • POINT01

    几帳面さ

    CAD技術者が作成する設計図は、設計者や製作者、技術者など製品開発に関わる全ての人に共有されます。設計図に誤りがあると、不良品になってしまったり、場合によっては全ての部品を作り直したりすることになりかねません。そのため、几帳面に正しい設計図を作成する力が求められます。

  • POINT02

    集中力

    CAD技術者が扱う設計図は非常に細かく複雑です。数多くの部品データを地道に作成することになるため、集中力が必要になります。

  • POINT03

    依頼に対するスピード

    CAD技術者は正確に設計図を作るだけでなく、スピーディに仕上げていくことが求められます。また、一度作成した設計図にミリ単位の修正が加わることも一般的です。設計図を元に全ての作業が動き出すため、どのような依頼に対してもスピード感を持って対応する必要があります。

  • POINT04

    ものづくりへの興味関心

    自分が作成する設計図がどのような製品になるのか、全く興味のない状態でCADソフトを操作するのはつまらないでしょう。ものづくりへの興味関心を持ち、自分の仕事がものづくりに貢献していることを実感すると、大きなやりがいを感じられるはずです。

必要な資格・試験情報

CAD技術者になるために必要な資格はありませんが、CAD利用技術者試験機械・設備・電気CADインストラクター資格CAD実務キャリア認定制度などの資格を取得することで、就職で有利になる可能性があります。基本的な知識やスキルを身につける上でも役に立つので、これらの資格の取得を目指すとよいでしょう。また、日頃から機械製品に対する興味を持つことも重要です。機械がどのような部品で作られているのか、自分の担当する分野以外にもアンテナを張ることで、CAD技術者としてのスキルが磨き上げられます。CADソフトの使い方を訓練するだけでなく、様々な情報を収集して仕事に活かす姿勢が大切になります。

背景