コンセプトアーティスト
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コンセプトアーティスト

ビジュアルを具現化する

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コンセプトアーティストとは

作品のビジュアルコンセプトを作り上げる仕事

コンセプトアーティストとは、ゲームや広告、映画をはじめとする映像作品のビジュアルコンセプトを具体的に視覚化し、イラストなどを用いて架空の世界をビジュアル化する仕事です。ファンタジー系のゲームであれば「中世ヨーロッパ風の街並みで魔法を使いバトルする」、学生向けの商品のCMであれば「青春を感じられる風景で爽やかな笑顔で走り、汗をかく」といったように、作品や登場人物のイメージを作り上げるコンセプトがなければなりません。まずは文字で作られたコンセプトを具体的なイラストに起こすことで、演出家やキャラクターデザイナー、CGデザイナーをはじめとする制作スタッフにクリエイティブイメージを共有します。コンセプトアーティストが作り上げる方針に沿って、作品が作り上げられています。

どんな仕事?

世界観からキャラクターの表情まで、作品の骨格を具体化する

コンセプトアーティストは自分自身でビジュアルコンセプトを作成することもありますし、監督やクライアントの指示を受けてイメージを具体化することもあります。いずれにせよ、作品の登場人物のイメージや性格、動き、服装、表情、背景、小道具、乗り物といった重要な根幹を作成し、製作スタッフはそれを元に作成を進めていくことになるため、責任とやりがいが大きいポジションとなります。
また、コンセプトアーティストは企画段階の作品のビジュアルコンセプト作成に関わることもあります。「このような作品を作りたい」とプロデューサーや製作委員会といった出資者に伝え、制作を承認してもらうためです。この場合は具体的なイメージ以上に、作品のニュアンスや世界観を表現することを重視します。文字で作成された企画書だけでは伝わらないイメージを具現化し、魅力的な作品だと思ってもらえるよう工夫しなければなりません。

  • POINT01

    打合せ

    監督やクライアントなどと打ち合わせを行い、作品の骨格や方向性を決定します。どのような世界観の作品にしたいのか、登場人物のキャラクター性はどのようなものか、監督やクライアントからしっかりとヒアリングし、イメージを膨らませます。

  • POINT02

    ビジュアルコンセプト制作

    打ち合わせで決まったコンセプトをビジュアル化していきます。表現方法はスケッチ的、マンガ的、写実的、絵画的と様々で、作品によって求められるタッチが異なります。初期段階ではスケッチ的なラフデザインで方向性をすり合わせ、より具体的なイメージを練りこんでいくこともあります。

  • POINT03

    提案

    作成したビジュアルコンセプトを提案します。出資者へ提案する場合は、ビジュアルコンセプトを元に採用の可否が決まるため勝負所となります。

  • POINT04

    制作スタッフへの共有

    提案したビジュアルコンセプトが採用されたら、制作スタッフに共有します。これを元に実写作品であれば小道具や大道具、衣装、メイクなどを取りそろえることになります。ゲームをはじめとするCG作品であれば、CGやモデリングの元となり各種デザイナーやクリエイターが作りこんでいくことになります。

どうすればなれる?

コンセプトアーティストへの道のり

コンセプトアーティストはIllustratorやPhotoshop、Maya、ZBrush、Adobe After Effects、Adobe Premiere Proなどのグラフィックツールや3DCGソフト、動画編集ソフトなどを使いこなすことになります。また、デッサン力や表現方法といった美術の専門知識も求められるため、専門学校や美術系大学で知識とスキルを身につけて就職を目指すのが一般的です。就職先としてはゲーム制作会社や映像制作会社が主流で、中にはコンセプトアートに特化した制作会社もあります。実績を積めば海外の制作会社に転職したり、フリーランスとして活躍したりすることも夢ではありません。

求められる知識・資質を磨く

  • POINT01

    発想力

    コンセプトアーティストは文字情報や言葉から具体的なイラストに仕上げる力が必要です。そのため、発想力を豊かにして、一つの言葉から様々な情景やイメージを連想する力が求められます。

  • POINT02

    表現力

    コンセプトアーティストが作成したビジュアルコンセプトを元に、キャラクターや背景、小道具などが作りこまれていくことになります。そのため、誰にでも伝わる絵の上手さはもちろんのこと、キャラクターや小道具などのレイアウト力、世界観を表現するポージング力、魅力的かつ作品の方向性を伝えられる配色力なども必要です。

  • POINT03

    コミュニケーション力

    ビジュアルコンセプトは一人で勝手に作り上げるものではなく、監督やクライアントの意向を汲んで制作を進めるものです。そのため、他者が何を考えているのか、作品で何を伝えたいのかということを正確に理解するコミュニケーション能力が求められます。

必要な資格・試験情報

コンセプトアーティストになるために必ず取得しなければならない資格はありませんが、グラフィック系専門ツールを使いこなす必要があるため、それらの資格を取得することでスキルの証明ができるでしょう。具体的にはCGクリエイター検定Illustrator®クリエイター能力認定試験Photoshop®クリエイター能力試験などがあげられます。ツールを使いこなすスキルはもちろんですが、コンセプトアーティストに求められるのは何よりも豊かな表現力です。一つの言葉から作品世界のイメージを膨らませ、具体的なイラストに落とし込んでいきます。そのためにも、日頃から様々な作品に触れて、あらゆるコンセプトや世界観にも対応できるよう表現の引き出しを増やしていくことが求められます。映画、ゲーム、ドラマ、アニメ、広告と、世の中には様々な映像作品があります。好き嫌いなくなんでも触れてみることで、自分になかった表現方法を知ることもできるでしょう。

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